非効率的な学習方法
以下の研究(Roherら,2005)が興味深い。
単語を記憶する課題に対して、1度学習を行なった後さらに学習してからテストをするグループと、1度学習を行なった後何もせずにテストをするグループを用意する。
前半のグループは、後半のグループより4倍多く練習問題をこなした。
1週間後のテストでは、やはり前半のグループの方が成績がよかった。
しかし、3週間後のテストでは、2つのグループの得点に差はなかった。
つまり、長期間かけて学習する受験や資格試験を想定した際、前半のグループのようにたくさんの時間を学習に費やすことは意味がなく、非効率的といえる。
この現象はRoherら(2005)にみる記憶課題だけでなく、数学の問題のような論理的思考が必要とされる課題でも起こることがわかっている。
効果的で効率的な学習方法
それでは、一体どのように学習したらよいのだろうか…
その答えが「分散学習」である。
「分散学習」とは学習したことを間隔をあけて復習を繰り返す学習方法である。
その日できるようになったこと、覚えたことを何度も繰り返す必要はなく、間隔を空けて復習することが効率的な学習方法なのである。
我々、大人は子どもたちに学習内容をわかりやすく説明することも重要だが、そもそもの学習方法を伝えていくことも重要であることがここから窺える。
参考文献:竹内龍人(2019)漢字学習から算数、英語、プログラミングまで 進化する勉強法,誠文堂新光社.
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