「人と話すのが苦手でも大丈夫」相手との関係を深める話の聴き方

心理学
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人との関係作りにおいて重要なことはコミュニケーションをとることである。

一方でコミュニケーションのとり方は体系的に学ぶことは少ない。

その結果、自分の経験や、所属している集団にその人のコミュニケーション手段は影響を受ける。

コミュニケーションの経験値が少なかったり、失敗経験を重ねたりすると、必然的に人と話すことに対して苦手意識が形成される。

そこで、今回は話を聴くことのプロとされる心理師が面接相手との信頼関係を構築していく上で活用しているいくつかの技法について解説する。

信頼関係とコミュニケーション

先にも述べた通り、信頼関係を築く上でコミュニケーションは必要不可欠である。

コミュニケーションを通して、相手が「自分の話したいことを話せた。」や「自分のことを理解しようとしてくれている。」と感じることで、「信頼できる」と思ってもらえるようになる。

上記の「自分の話したいことを話せた。」や「自分のことを理解しようとしてくれている。」と相手が感じるコミュニケーションは、実は「話すのが苦手」と感じている人の方が上手く実践できるかもしれない。

なぜなら、コミュニケーションにおいて能動的に自分のことを話す必要は一切なく、ただ聴くことに徹すればよいからだ。

相手の話についていく

自分の話をせずに会話を進めていく方法としてTSTがある。

TST(龍島・阿部・相場,2018)とはトピック・セレクト・トークの略である。

相手が話したことの一つを取り上げて、それについて質問する方法だ。

相手が話したいと思っているトピックを取り上げることができれば、会話はどんどん弾んでいく。

ここで重要なことは、聴くことに徹し、相手が自分に質問しないかぎり自分の話はしないということである。

また、「次に話す内容は何が良いか…」のように考えながら話を聞いていると、話の流れを見失うこともあるので注意する必要がある。

あくまで、相手についていくというイメージで話を聴く。

自分の親しい人に「この前見た映画どうだった?」など質問をして、その後TSTを用いて話を聴いていくとTSTの練習ができる。

練習してみると、自分の話をしないということがいかに難しいかがわかる。

相手のことは相手にしかわからない

話を聴く中で、自分の知っている話題が出てきた時、自分の考えや思いを話したくなるのは一般的である。

一方で、その話題のとらえ方は人によって異なる。

自分のことを話してしまったがために、相手の考えや思いを遮ってしまうことになり結果的に会話が途切れてしまう。

そこで重要になるのが「知らない姿勢」である。

先にも述べたように、相手のことを一番理解しているのは相手である。

「知らない姿勢」では、相手がどのように感じ考えたのかを聴いていく

「知らない姿勢」で話を聞く上で、いかに相手独自の視点や思考にスポットライトを当てられるかが肝である。

相手にとって特別なエピソードが語られるということは、信頼関係が構築されてきているサインにもなる。

「知らない姿勢」で話を聴く練習方法として以下の方法があげられる。

  1. 2人組になり話し手と聴き手に分かれる。
  2. 話し手は思い出の品の絵を描く。
  3. その絵を2人で見ながら聴き手は質問し、5~10分間会話をする。

聴き手はその品物の大きさや形状など、具体的なイメージに関する質問をしたかもしれない。

品物自体に関する質問は、相手とイメージを共有することができる。

また、話し手がその品物に抱いている「思い出」について質問することは、「私のことを理解しようとしてれている。」という思いにつながりやすく、信頼関係を築く上で重要である。

参考・引用文献:龍島秀広・阿部幸弘・相場幸子(2018)読んでわかるやって身につく解決志向リハーサルブック面接と対人援助の技術・基礎から上級まで,遠見書房.

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