少人数学級が実現されにくい理由

学校教育
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少人数学級は子どもの学力向上につながらない?

公立小学校の1クラスに在籍している児童の数が、40人から35人に引き下げる動きがあった。

一方で、文科省が当初求めていた人数は30人で、その目標は達成されなかったといえる。

1クラスあたりの児童の数を減らすことは、教師にも子どもにもよい影響がありそうだが、それがなかなか実行されないのはなぜだろうか。

1クラスあたりの人数を減らすということが実現されにくい理由として、学級の規模が子どもの学力に与える効果が一貫して小さいということが挙げられる(Hattie,2006)。

学級規模を小さくすると、必然的に教師の数を増やす必要があり、そこには莫大な税金を投資する必要がある。

であるにもかかわらず、子どもの学力に与える影響が小さいとなってはなかなか実行されないわけである。

教師に求められる指導力

一般的に学級規模が小さくなれば、教師の指導がより手厚くなり、子どもの学力によい影響が出るように思われるがそうならないのはなぜであろう…

そこには、教師が小規模学級における、効果的な指導方法に身につけていないということがあると考えられる。

学級規模に応じて教師の効果的な指導は変わってくるということが複数の研究から明らかになっており、40人学級と20人学級では求められる教師像が異なってくるのである。

一方で1クラスあたりの子どもの数を減らすということは、教師のメンタルヘルスを改善していくという観点から重要である。

よって、学級規模の縮小を実現するためには、教師の指導力の向上も合わせて実施される必要があるといえる。

参考文献:John Hattie (訳:山森光陽)(2020)教育の効果 メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化,図書文化社.

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